【ハウス食品グループ×エシカル・スピリッツ】 未活用スパイスから始まった、パートナー企業同士の協業と新たな可能性
TOKYOエシカルのパートナー企業であるハウス食品グループとエシカル・スピリッツ。未活用スパイスの活用をきっかけに始まった両社の協業は、商品開発にとどまらず、地域資源を生かした新たな挑戦へと広がりました。
エシカルな視点から生まれた取組は、企業同士にどのような価値をもたらしたのでしょうか。ハウス食品グループ・新規事業開発部の坂上麻緒さんと、エシカル・スピリッツ代表の小野力さんに話を伺いました。
「未活用素材の魅力を生かしたい」―2社をつないだ共通の思い
ハウス食品グループ 新規事業開発部の坂上麻緒さん
――スパイスを活用した食品事業を展開するハウス食品グループと、未活用素材を活用したクラフトジンの製造・販売を手がけるエシカル・スピリッツ。異なる分野の両社が協業することになったきっかけを教えてください。
坂上さん:エシカル・スピリッツさんとの出会いは、サステナビリティに関する会合でした。当時から、私は新規事業開発部に所属し、商品の製造工程で生まれる未活用素材の活用に取り組んでいたこともあり、蒸留技術によって未活用素材の魅力を新たな形で引き出すという小野さんたちの取組に興味を持ちました。そこで、当社の未活用スパイスも生かせるのではないかと考えたんです。
エシカル・スピリッツ代表の小野力さん
小野さん:創業以来、当社では「Starring the hidden gem(隠れた才能をステージへ)」をコンセプトに、これまで見過ごされてきた素材に新たな光を当てるものづくりを続けてきました。だからこそ、坂上さんの話を伺ったとき、「もったいないを価値に変えたい」という思いに共感しました。スパイスと蒸留。異なる領域だからこそ、新しい発見が生まれるのではと感じたのです。
未活用スパイスを生かす、最初のチャレンジ
左から「LAST ELEGANT」、「LAST ELYSIUM」、「LAST EN -縁-」
――協業の第一歩として、ハウス食品グループの未活用スパイスを、既存のクラフトジン「LAST」に取り入れることになったそうですね。
小野さん:はい。「LAST」は抽出後の緑茶やコーヒー粉、果皮などの未活用素材を活用した弊社のクラフトジンブランドです。今回の協業では、そのレシピに使用していたローズマリーやシナモンを、ハウス食品グループさんの未活用スパイスへ置き換えることから始まりました。
坂上さん:食用として規格外になってしまったとしても、スパイスの香りそのものがなくなるわけではありません。「食品として使えなくなったら終わり」にはしたくない。その思いがあったからこそ、クラフトジンという新たな形でその魅力を届けられることは大きな発見でした。
小野さん:協業するにあたって、私たちが重視していたのは、「単発の商品開発で終わらせないこと」でした。エシカルな取組は、継続することに意義があります。だからこそ、限定商品ではなく定番商品へ取り入れ、継続して未活用スパイスを活用できる仕組みを目指しました。
また、「未活用素材だから、安く仕入れない」ことにもこだわりました。未活用素材は「価値が低いもの」ではありません。これまで十分に活用する方法がなかっただけで、本来持っている価値は変わりません。坂上さんにも、未活用素材であっても、価値ある資源としてきちんと対価をお支払いしたいと伝え、取組を進めていきました。
協業から生まれた、新たな挑戦
「Spirits of Terroir -高千穂郷・奥阿蘇 山椒-」
――「LAST」での協業を経て、新たな取組へと発展していきましたね。
小野さん:第一弾の取組を通して、お互いの強みや考え方を理解できたことで、「新しい取組をぜひ一緒に」と、自然に話が広がっていきました。その中で坂上さんからご相談いただいたのが、宮崎県・熊本県で進めていたという山椒の「産地形成プロジェクト」です。地域で育てた山椒を新しい形で活かしたいという思いから、山椒を使ったクラフトジンの企画が動き出しました。
坂上さん:当社では2022年から、宮崎県高千穂郷・熊本県奥阿蘇で、山椒の生産者拡大とブランド化を目的とした山椒の「産地形成プロジェクト」を進めていました。地域の主要産業である乾しいたけ栽培は夏場が閑散期となるため、その時期に収穫できる山椒を組み合わせることで、生産者の所得向上や新たな産地づくりを目指していたんです。
小野さん:新たな山椒の産地形成を目指す取組に、エシカルに通じるものを感じました。それに、国産の生山椒を使ったジンは珍しく、ぜひ一緒にやってみたいと思いました。こうして誕生したのが、期間限定で製造・販売されたクラフトジン「Spirits of Terroir ‑高千穂郷・奥阿蘇 山椒-」(※現在は販売終了)です。
坂上さん:今回の取組をきっかけに、地域や産地に関心を持つ人が増え、持続可能な産地づくりにつながっていくことを願っています。
協業で見えた、これからの可能性
――TOKYOエシカルのパートナー企業として、今回の協業を通じてどのような可能性を感じましたか?
小野さん:今回の協業を振り返ると、「新しい価値を作った」というよりも、「もともとある価値の伝え方を変えた」という取組だったと感じています。
ハウス食品グループさんの未活用スパイスには、もともと香りという魅力がありました。それを生かす方法の一つとして、私たちの蒸留技術を使った。その結果、新しい形で魅力を届けることができたと思っています。だからこそ、大切なのは「エシカルだから」という理由だけでなく、商品そのものの魅力だと考えています。
本当にいいものだから選ばれ、その結果としてエシカルな消費へつながっていく。そんな商品を、これからも届けていきたいと思っています。
坂上さん:エシカル・スピリッツさんとの取組を通して、自社だけでは実現できなかった可能性に出会うことができたと感じています。それぞれ異なる強みや技術を持つ企業同士がつながることで、新しいアイデアが生まれていく。こうした取組がさらに広がり、エシカルな選択がもっと身近なものになればうれしいですね。
ハウス食品グループ本社株式会社
https://housefoods-group.com/
エシカル・スピリッツ株式会社
https://ethicalspirits.jp/
東京エシカルジン LAST
https://last.ethicalspirits.jp/
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エシカル消費に関する専門用語を解説しています。
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