学生に聞く「身近なエシカル消費」。 TOKYOエシカルキャンペーン メインビジュアル利用レポート 【共立女子大学】
エシカル消費の気運を加速させるために、2024年10月から始まった「TOKYOエシカルキャンペーン2024」。「てまえどり」や「マイボトル」など、私たちにとって身近な取組を、ポスターや動画を通して発信しています。
メインビジュアルのポスターがパートナー企業・団体の店舗をはじめとする、都内各地に掲出されている中で、今回は制作時にアイデアを寄せていただいたパートナー団体のひとつである共立女子大学を訪問しました。
キャンペーンのポスター・POPを見た感想とエシカル消費について
共立女子大学のエントランスに掲出されたキャンペーンのポスターとPOP
共立女子大学 神田一ツ橋キャンパスの本館に入ると、多くの学生が行き交うエントランスの柱に「TOKYOエシカルキャンペーン2024」のポスターとPOPが掲出されていました。早速近くにいた学生に感想とエシカル消費について話を聞いてみます。
ポスターを見た感想を話す国際学部4年宮地さん(左)と家政学部食物栄養学科3年佐藤さん(右)
―ポスターやPOPを見て感じたことはありますか。
佐藤さん:目に留まりやすいなというのを、第一印象で思いました。
宮地さん:最初に「エシカル消費」という文字が目に入ってきて、あまり身近な言葉ではないと思い気になりました。だけどよく見ると、「てまえどり」や「マイボトル」もエシカル消費と書いてあるから、身近な日頃の行動と、エシカル消費という身近でない言葉の組み合わせが面白いと思いました。
―ポスターにある行動をされたことはありますか。
宮地さん:今、一人暮らしをしていて、料理を作っても自分しか食べる人がいないので、必要な分だけ購入するのは日頃の買い物で意識しています。守らないと私自身も食材を使い切るのが大変だし、食品ロスにもなってしまうので。
佐藤さん:最近はペットボトルの値段が高くなってきているので、自動販売機では気軽に買えないと思い、マイボトルを持参しています。
また、私は普段食物栄養学科で食物や健康について学んでいるので、お弁当箱を使うことや食品ロス、てまえどりなど食に関する取組に関心があり、日常生活でも意識するようにしています。
―エシカルな行動を『環境に良いから』と意識して実践していますか。それとも、無意識のうちに実践していましたか。
佐藤さん:食に関することは意識してやっていますが、マイボトルはお金を使いたくないという理由から始めているように思います。
宮地さん:幼少期から祖母などに、「もったいないことをするべきでない」と言われていたので、その教えが体に染み付いていて、自然と行動していたように思います。ただ、現在は一人暮らしを通して、必要な分だけ買うことやてまえどりなどをより強く意識するようになりました。
―他に取り組まれているエシカルな行動はありますか。
宮地さん:私は地域連携の活動を約2年前から行っていて、自分が住む地域以外の自治体の取組にも関わっています。
例えば福井市なら眼鏡が産業としてあるので、眼鏡を作る工程で出た端材からオリジナルのキーホルダーを作るワークショップ。南三陸町なら特産品であるワカメの活用法として、オリジナルのふりかけ作りなど。地域をいかに活性化するのか、不要になったものをどう循環させていくかを体験しました。
―周りの学生はエシカルな行動をしていますか。
佐藤さん:管理栄養士専攻を選択しているので、周りにも食品ロスに対して強い思いのある方が多いです。てまえどりやマイボトルを実践している方も多いと思います。
宮地さん:私の友人では、自治体の活動に参加する人が多いわけではありません。ですが、一人暮らしをしている学生だと、作りすぎた分を日頃どうしているのかと話題に上がるので、エシカルと生活が結びついている部分に関しては、友人や周りの人も意識しているのかなと思います。
ワークショップや小中学校訪問を通してエシカルな取組を伝える
大学でのエシカルな活動についてお話しする大石さん
日常生活の中で、あるいは大学で学んだことの延長として、エシカルな行動を実践していると語る宮地さんと佐藤さん。続いて、学内でのエシカルな取組について、共立女子大学社会連携センターの大石裕理子さんにお話を伺いました。
―大学で行っているエシカルな活動はありますか。
学内外で行われるイベントにて、大学生によるワークショップを2種類開催しています。1つは食育をテーマにして、エシカルに関連するクイズを出すもの。参加された方には本学と連携している自治体のお菓子などをプレゼントして、「これは地元で採れる野菜で作られたお菓子だよ、皆さんのお住まいの地域のものも見直してね」など声かけをします。てまえどりや地産地消など、食育と関連したエシカルな取組を考えるきっかけになればと思っています。
もう1つは、先ほどもお話で出た福井市の眼鏡の端材のキーホルダー作りです。どちらのワークショップも学生が主体で、小さな子どもから高齢の方まで、幅広い世代の参加者に向けて提供しています。
エシカルな活動を広めるとともに、大学で培った専門性や経験を学生自身が伝える側となって提供できるので、学生たちにとっても良い体験になると思います。
―エシカルな取組で学生に期待することはありますか。
大学生という立場を生かした取組を期待しています。例えばワークショップでエシカルな考え方を中学生に伝える場合、大人が上から伝えるよりも、斜めの関係性から伝えるのでより身近に感じられると思うんです。
子どもにとって親しみやすい存在という意味で、大学生がエシカルなことを伝える意義は非常にあるので、小中学生に対してエシカルの芽が出るようなきっかけ作りをしてほしいです。
また、本学には家政学部に食物栄養学科という学科があり、地産地消や食育の学習は、小中学校を訪問して実習の形でも行っています。 食育の授業は低学年から学ぶことが家庭や高学年に繋がっていくので、大学生から斜めの関係性で伝えてほしいと期待しています。
キャンペーンを通してエシカル消費をもっと身近に
神保町駅に掲出されたキャンペーンのポスター
取材が行われた、共立女子大学の最寄り駅である都営地下鉄 神保町駅構内にもポスターが掲出されていました。大学や駅構内、パートナー企業・団体の店舗など、さまざまな場所にポスターを掲出してもらうことで、より多くの人にエシカル消費を知ってもらうきっかけとなります。TOKYOエシカルでは今後も、エシカル消費を推進するための取組を展開していきます。