全国各地の規格外野菜や果物を副原料にしたクラフトビールを。JUNGLE BREWERYのポップなアップサイクルビールをご紹介
皆さんは”アップサイクル”という言葉をご存じですか?
似た言葉に、廃棄物を資源として再利用する”リサイクル”や、モノを繰り返し利用する”リユース”がありますが、“アップサイクル”は廃棄予定だったものに手を加えて、新たな価値を生み出し、別の製品として生まれ変わらせることを指します。
製品の特長をそのまま活かし、資源に戻すためのエネルギーが不要な点などがSDGsの12番目の目標「つくる責任、つかう責任」を達成する手段のひとつとして注目されています。
今回は、フードロスや地産地消をテーマにし、規格外の野菜や果物を副原料にアップサイクルなクラフトビールづくりに取り組むJUNGLE BREWERY(ジャングルブルワリー)の、新作クラフトビールについてご紹介します。
ポップなパッケージがかわいい「BEAROOD ORANGE(べアッドオレンジ)」
JUNGLE BREWERYは、「たのしいはツクレル」をモットーに、ビール好きの3人が立ち上げた、クラフトビールに特化した「何でも屋」。
代表・島袋 尚美さんをはじめ、地産地消を促し、日本中の素敵な農作物をより多くの方に届けたいという想いから、現在、全国各地の規格外野菜や果物を副原料にした、47種類のアップサイクルなオリジナルクラフトビールづくりに取り組んでいます。
新作クラフトビール「BEAROOD ORANGE(べアッドオレンジ)」は、佐賀県太良町・山内柑橘農園のブラッドオレンジがふんだんに使われたビールです。ブラッドオレンジらしさを感じるきれいな朱色は見た目にも鮮やか。スパークリングワインを彷彿とさせるフルーティな味は、普段ビールを飲まない方でも楽しめそうです。
“エシカル”や”SDGs”が難しいもの・堅苦しいものであるというイメージを打破したいという想いを込めて、ポップなパッケージになっています。
副原料の山内柑橘農園産ブラッドオレンジ
山内柑橘農園は100年続く柑橘類農家ですが、後継者不足でその幕を閉じようとしています。販売を担当し、クラウドファンディングを実施して祖父母が育てたブラッドオレンジの魅力を広めようとするお孫さんの姿に心を打たれ、今回のビールの制作が始まりました。
JUNGLE BREWERYの社員の皆さんで実際に佐賀県へ赴き、農園の方々では届かない高い位置に生った果実の収穫のお手伝いや、100キロものブラッドオレンジの手絞り作業も一緒に行われたそうです。
きれいな朱色のビール
6月7日には「BEAROOD ORANGE」の発売記念イベントも開催され、イベントにはブルワリーのファンが多く集いました。
会場はフレンドリーな雰囲気で、JUNGLE BREWERY代表・島袋 尚美さんの挨拶では笑い声が起きたり、エシカルやアップクラフトビールへの想いに来場者が深く頷く場面も。
左から、ブレンドジャム、ミンチ天、太良町産ソーセージ、いかしゅうまい
いかしゅうまい、ミンチ天、太良町産ソーセージ、あまおうとブラッドオレンジをブレンドしたジャムといった佐賀県にゆかりのあるおつまみも提供され、産地へのリスペクトが感じられるイベントでした。
今回はビールへのアップサイクルについてご紹介しましたが、食品から食品へのアップサイクルはもちろん、食品から紙やレザーなどの工業製品へのアップサイクルも注目され始めています。
スーパーでのお買い物やレストランでのお食事の際にも、原材料や生産地をはじめ、商品ができあがるまでのストーリーを意識することで、新しい出会いがあるかもしれません。ぜひ皆さんの生活の中でエシカルを探してみてくださいね。