海外では環境問題にどう取り組んでいる?|フランス、台湾、ニューヨークの法律編

皆さんは、1日の生活の中でどれくらいの資源を消費しているか、考えたことはありますか?例えば、私たちの生活に欠かせないプラスチックやガス、水。料理をするときには、スーパーでプラスチック包装された食材を買い、自宅でガスや水を使う……。知らず知らずのうちにたくさんの資源を消費しています。

現代社会で暮らしている以上、資源の使用をゼロにすることはできません。しかし、海外を見渡してみると、街中でリユースが当たり前であったり、天然資源を無駄づかいしない仕組みが整いはじめています。ここでは、プラスチックやガスの消費削減に向けて海外で施行された法律を紹介します。

フランス|ファストフード店での使い捨て容器の提供が禁止に

Photo:Elium Studio

フランスでは2023年1月1日から、ファストフード店を中心に使い捨て容器や皿、コップなどの使用が禁止になりました。代わりに導入されるのは、洗って再利用できる容器のみ。リサイクルが可能な素材を使用していても、使い捨ての容器は禁止されています。廃棄物の増加を防ぐための法律が2020年に制定されてから、ストローやカップのふたなど、段階的にプラスチックの廃止が進んでいましたが、今回の施行で年間18万トン(約60億食分)の廃棄物が削減される見込みです。

台湾|飲食店を中心に進む"脱プラ" の動き

台湾では、飲食店を中心に生分解性プラスチックの使い捨て食器の提供が2023年8月1日以降禁止になりました

生分解性プラスチックは、微生物の働きにより自然分解が可能な環境に優しいとされる素材で、ポリ乳酸などに代表されます。しかし、それらが特殊な環境下でのみ分解されることや、適切な再利用方法や堆肥化のための施設が国内にないことなどから禁止が決まりました。台北市では2022年12月から台湾全土に先駆けてドリンク店におけるプラスチックカップの提供禁止措置が取られており、マイボトルの持参促進などとあわせて、どこまで”脱プラ”が進むのかが注目されています。

ニューヨーク|州レベルでは初の新築建物でガス使用を禁じる法案が可決

ニューヨーク州では、天然ガスの使用を禁じる法案が可決されました。2026年には7階建て以下の新築建物で、2029年には8階建て以上の新築建物で、ガスの使用が禁止となります。暖房や給湯、調理、衣類乾燥など、家庭で使うエネルギーをガスから電力にシフトし、温暖化効果ガスの削減を後押しします。アメリカでは、今年5月にガスや石炭などによる発電に対する排出規制やガイドラインを強化・確立する規制案が提出されるなど、天然資源の使用制限に関する取組が進められています。

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