今日からできるアクションも?年代からひもとく、エシカル消費ランキングをご紹介

「エシカル消費」と聞いて、みなさんはどのようなイメージを抱きますか。
もしかすると「少し難しそう…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
けれど実は、すでに私たちが日常生活の中で無意識にやっていることも、その一部に含まれているのです。

例えば、「マイバッグを使う」「残さず食べ切るよう工夫する」「こまめに電気を消す」、そんなささやかな行動もエシカル消費につながります。

そこで今回は、2024年度にTOKYOエシカル事務局が都民へ実施した「エシカル消費実態把握アンケート」の結果をもとに、各世代が取り組むエシカル消費行動をランキング形式でご紹介します。
ご自分に合ったエシカルアクションを見つけながら、その行動がもたらす効果やメリットを改めて考えてみませんか。

年代ごとにみる、エシカル消費行動ランキング

はじめに、20代から50代までの世代ごとに「取り組みやすいエシカル消費行動」をランキング形式でご紹介します。
それぞれの年代で少しずつ違いがある一方で、多くの世代で共通しているポイントも見えてくるでしょう。

「マイバッグを持参する」「食べ残しを減らす」「省エネや節電につながる行動」など、私たちにとって身近な習慣がランクインしました。

これらのアクションが上位に入っていることからも、エシカル消費が特別なことではなく、日常の小さな積み重ねであることが分かります。

こうしたランキングの傾向について、専門家の目にはどう映ったのでしょうか。
TOKYOエシカルアドバイザーの坂口真生さんからも、コメントをいただきました。

「どの世代も共通する行動が上位に入っていますね。日常でできることは限られているように思えますが、実は皆さんがすでにやられていることも多いのだと感じました。
例えば、マイバッグや食べ残しを減らすといった小さな選択も、積み重なればごみの削減や資源の保護につながります。改めて“自分の生活の中にもエシカルな行動があったんだ”と気づける結果だったと思います」

各エシカルアクションを実践するメリット

それでは、ランキングに入っている行動を実際に続けていくと、私たちや社会にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは特に多くの世代で共通している「マイバッグ」「食品ロス削減」「省エネ」という3つのアクションに注目していきます。

マイバッグを持参する

買い物をするときにレジ袋をもらわずにマイバッグを使うことは、ごみを減らすだけでなく、使い捨てにされる資源を守ることにもつながります。

環境省によると、レジ袋の有料化が始まった20207月以降、年間約33億枚流通していたドラックストアでのレジ袋は約5億枚まで減少しているとのこと。
また、国内におけるレジ袋の流通量も、有料化後に半減したとの調査結果もあります。
(出典:環境省|レジ袋有料化(2020年7月開始)の効果

食べ残しを減らす・必要な分だけ購入する

2023年度に行われた調査によると、食べられるのに廃棄されてしまう食品は、国内で年間523万トンに及ぶといいます。
そのうち、国民一人当たりに換算すると37キログラムとなり、経済的損失は一人当たり年間31,814円に相当するといいます。
(出典:消費者庁|食品ロスによる経済損失及び温室効果ガス排出量の推計結果

必要な分だけを買い、残さず食べ切る工夫をする。
そんな習慣を意識するだけで、食品ロス削減と家計の節約が同時に叶うと考えれば、ちょっとうれしくなりますね。

省エネ・節電につながる行動とは

電気や水を使いすぎないことも、立派なエシカルアクションです。
例えば、テレビの主電源をこまめに切ると、年間で約895円の電気代が節約でき、12.4キログラムのCO2削減につながる場合もあります。
(出典:経済産業省 資源エネルギー庁|省エネポータルサイト「家庭向け省エネ関連情報」

このようなアクションは、日々の生活で買い物や食事以外で、無理なく始められるエシカル消費の行動の一つでしょう。
例えば、仕事の場面でも、オフィス内の電気やPCモニターの電源を都度消すなど、簡単にはじめられる工夫が詰まっているかもしれません。

いまの暮らしから、できることを少しずつ

最後に、TOKYOエシカルアドバイザーの坂口真生さんから、エシカルアクションをしてみようと感じたとき、やさしく背中を押してくださるようなメッセージをいただきました。

「今回ご紹介したアクションは、いずれもすぐに取り組めることです。特別な準備や大きな労力は必要なく、“ちょっと意識するだけ”で始められますね。そうやって一歩踏み出すだけで、食べ物やエネルギーの無駄を軽減し、社会にプラスの影響を与えられます。

ご自分の生活に無理なく取り入れながら、楽しむような感覚で続けてもらえたらうれしいです。」

エシカル消費は、決して堅苦しいものではありません。
「自分や家族のために選んだその行動が、同時に社会や環境にとってもプラスになる。」
そんな視点を持つことが、日々の暮らしがより豊かに広がっていきます。今日からできることを見つけて、ぜひ気軽にエシカルアクションを始めてみませんか。

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エシカル消費に関する専門用語を解説しています。
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