一人一人の声が、大きなアクションの一歩につながる「TOKYOエシカル パートナーミーティング」をレポート

TOKYOエシカルではパートナー企業・団体と連携して、エシカル消費のイベント開催や情報発信などさまざまな取組を行っています。
その一環として、2025年2月27日(木)に「TOKYOエシカル パートナーミーティング」を開催しました。令和7年度に行う施策アイデアの検討や、パートナー企業・団体同士の交流を促進し、「共創」の機運を高めることを目的に開催された今回のミーティングには、41のパートナーから53人が参加しました。

このレポートでは当日の様子や、グループディスカッションで示されたアイデアなどをご紹介します。

 

●TOKYOエシカルを持続可能な取組にするために

東京都のプレゼンテーションを聞く参加者

東京都のプレゼンテーションを聞く参加者

はじめに、東京都 生活文化スポーツ局消費生活部から、2024年秋に実施された「TOKYOエシカルキャンペーン」の報告と、令和7年度のTOKYOエシカルの施策について説明がありました。 特に、キャンペーンには、約100のパートナー企業・団体の協力が得られたことに対し、改めて感謝の言葉が伝えられました。

TOKYOエシカルアドバイザーでエシカルディレクターの 坂口真生氏

TOKYOエシカルアドバイザーでエシカルディレクターの坂口真生さん

次に、TOKYOエシカルアドバイザーの坂口真生さんが登壇。 坂口さんは、参加者に向けて、グループディスカッションで検討してほしいポイントを説明し、「TOKYOエシカルは来年度に4年目を迎えます。今回のパートナーミーティングは、本事業が今後さらなる広がりを見せ、持続可能な活動にしていくうえで重要なきっかけになると考えています。新しい施策について、ぜひ皆さんのご意見やアイデアをお聞きしたいです」と期待を寄せました。

 

●業界や業種などの垣根を超えて、アイデアを考える

実態把握アンケートの調査結果発表の様子

グループ内で自己紹介が行われたあと、2024年秋に都民を対象に実施された「エシカル消費実態把握アンケート」の調査結果のポイントが発表されました。グループディスカッションを行うにあたり、消費者におけるエシカル消費の認知度やイメージ像などを知ることで、アイデアを考える材料としていきます。

グループワークの様子

さまざまな業界から参加者が集い、グループワークを行う

いよいよ、グループディスカッションが開始。参加者は、下記のテーマごとにグループに分かれ、それぞれの施策アイデアなどを考えます。

1. WEBサイトやSNSを用いた情報発信
2. TOKYOエシカルキャンペーン
3. エシカルマルシェなどのイベントを通じた、エシカル消費体験の創出

テーマの検討は「TOKYOエシカル事業の企画」と「パートナー企業・団体同士の連携の取組」という2つの視点から行われました。
各参加者は同じグループのメンバーの意見を聞き、配布されたワークシートを使って情報を整理しながら考えを膨らませていきます。

グループディスカッションの様子

5~6人のグループに分かれてディスカッション

今回、多くの参加者にとって気づきとなった意見は「説明することが難しい『エシカル』という言葉を使いながら、エシカル消費の認知を広げるために何ができるか」ということ。
「エシカルという言葉は、その意味が多様なことから人によって捉え方が異なる」、「エシカルという言葉自体を使うことでハードルが上がり、行動しづらくなるのではないか」という意見も出ました。

参加者と対話をする坂口氏

参加者と対話をする坂口さん

全体でさまざまなアイデアや意見が話される中、坂口さんがグループに入って参加者と一緒に対話するシーンも。 各グループとも、休憩時間を超えて白熱したディスカッションが展開されました。

 

●「エシカル消費」を広げるポイントは「接点の多さ」

グループディスカッション終了後、各グループが考案したアイデアを共有する時間が設けられました。

全体発表の様子

全体発表の様子

「情報発信」のグループでは、人々に「もったいない」「かっこいい」など直感的な印象から訴求し、各自が行動した結果がエシカル消費につながるという視点が示されました。 具体的な方法として、若者への情報発信にインフルエンサーや俳優を起用する案や、パートナー企業・団体がエシカルな商品や取組の発信をする際に使える「エシカルマーク」の作成案も出されました。
また、「情報発信を通じて人々のリテラシーを向上させ、将来的に若い方々がTOKYOエシカルのパートナー企業・団体に入社し、キャリア形成ができるようになることも重要だと思います」と、エシカルな取組の持続につながる意見があったことも特徴的です。

大学生の発表の様子

今回のグループディスカッションには、大学生も参加しました。「TOKYOエシカルキャンペーン」の企画を考えるグループでは、個人で取り組みやすい行動を促進するために週ごとにエシカルな行動をする「エシカルウィーク」を提案しました。
「学生はポイントや割引などの特典があると嬉しいので、例えば大学や会社にある給水器からマイボトルに水を補充するとポイントが貯まり、そのポイントを大学の購買や会社の売店で使えるキャンペーンを行うことで、エシカル消費との接点が増えると思います」と話し、人々が日常的に取り組みやすいことが大切であると訴えました。
ほかのグループでも、エシカル消費をわかりやすく理解できる方法として、自身の普段の行動をチェックしてエシカルレベルやエシカルタイプを測定する「エシカル診断」が提案されるなど、多くの人々が参加しやすい工夫が随所に見られました。

「エシカル消費体験の創出」グループの発表の様子

「エシカル消費体験の創出」のグループでは、マルシェなどのイベント時に、参加者が楽しめるスタンプラリーや社会課題の学びの場を提供するなど、ユニークなコンテンツ案が発表されました。
発表者は、「現状ではエシカルな商品に対する情報量や接点が不足しているため、イベント前に情報を広める必要性があります。」と分析。その方法として「消費者も参加できるチャットグループで企業と消費者が情報発信や交換を行い、それが広がることでマルシェに参加する人が増えることも期待したいです」と多くのパートナー企業・団体と消費者が集うことで、エシカル消費の機運を高めていくことも提案されました。

●さまざまなコミュニケーションを通じて「エシカル」は広まっていく

グループディスカッションを経て、坂口さんより総評がありました。

坂口氏による総評の様子

坂口さんの総評を聞く参加者

「私は10年以上にわたりイベント企画を続けてきたので、イベントの大切さや難しさを実感しつつ、開催することで多くの人々にメッセージが届く可能性もあると思っています。
私たちがエシカルなものを消費者へ届けるためには、何をすべきかを考えることが重要です。今日、その本質を皆さんが議論してくださったことを嬉しく思います」と、自身の経験談をもとに、今回の議論がエシカル消費の普及啓発にあたって有益な内容になることを振り返りました。

ネットワーキングの様子

ネットワーキングで様々な業種の参加者と名刺交換や情報共有

最後にパートナー企業・団体の参加者同士で交流会を実施。 グループディスカッションに続く意見交換や共創の提案などを通じて、エシカル消費の取組の輪がさらに広まってゆく時間になりました。

ネットワーキングの様子

参加者からは「異なる業種の方と意見交換をできてよかった」「パートナー企業と協業するきかっけになった」という感想が寄せられました。
今回提案されたアイデアを活用しながら、TOKYOエシカルは令和7年度以降の施策を進めていく予定です。

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