リサイクルで地球を救おう。再生までの流れ・注意点をご紹介

食品や飲料を買うと、最後に残る空のプラスチック容器やPETボトル。分別して捨てることは習慣づいているものの、捨てられたプラスチック容器やPETボトルがどのようにリサイクルされるかまでは、考えたことがない方もいるかもしれません。

今回は、リサイクルの大切さを考えるとともに、身近な容器のリサイクルについて、ごみの回収から再生までの流れをご紹介します。普段の何気ない分別が、地球の未来を救っていることに気がつくはずです。

リサイクルの重要性|なぜ必要なの?

「リサイクル」という言葉には聞き馴染みがあると思いますが、日々の暮らしのなかでとりわけ意識することは少ないのではないでしょうか。私たちがリサイクルを意識的に行うだけで、二酸化炭素の排出量とエネルギー消費量の削減に貢献できます。

2017年の推計では、現状のままごみを捨て続けると、2050年までになんと世界のプラスチック廃棄物だけで120億トン以上が埋立・自然投棄されることに。また、ごみ処理の過程では二酸化炭素が発生するため、地球温暖化を加速させてしまいます。
(出典:環境省・平成30年10月19日中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会(第3回)「プラスチックを取り巻く国内外の状況 第3回資料集」)

そこで私たちにできるのが、資源をリサイクルすることです。一人ひとりが日常生活の中で少しずつ意識することで、これからの暮らしを守っていくことにつながります。

リサイクルできる容器【識別表示マーク】

リサイクルできる容器のうち、PETボトル・プラスチック・紙・スチール缶・アルミ缶には、識別表示マークがついています。マークの表示は、「資源有効利用促進法」によって義務付けられています。識別表示マークを目印に、正しい分別を心がけましょう。
これらはリサイクルによって、以下のような製品に生まれ変わり、私たちの日常に再び溶け込んでいます。

資源となる容器 生まれ変わるもの
PETボトル PETボトル、卵パック、衣料品、ボトル など
プラスチック パレット、再生樹脂、高炉還元剤 など
段ボール、新聞紙、トイレットペーパー など
スチール缶 スチール缶、自動車や家電などの材料、ビルや橋などの建設資材 など
アルミ缶 アルミ缶、鋳物、脱酸剤 など

識別表示マーク(一部)

ごみ回収から再生されるまでの流れ

ここでは、PETボトルとプラスチックのリサイクルの流れの一例をご紹介します。
資源化できるかどうかを判断する仕分けは、多くの場合、作業員による手作業で行われます。そのため、私たち消費者が普段から意識的に分別を行うことが大切です。

PETボトル

  1. 収集されたPETボトルがリサイクル施設に運び込まれる
  2. 作業員が手作業で汚れが付着したPETボトルや異物を取り除く
  3. 圧縮・粉砕・洗浄などの工程を経て、フレークやペレットといった形状に加工される
  4. 再度PETボトルか、別の製品の原料になる


プラスチック製容器

  1. 収集されたプラスチック製容器がリサイクル施設に運び込まれる
  2. 資源化できるものとできないものを手作業で分別する
  3. 資源化できるものだけを圧縮して塊にする
  4. 再資源化工場に運ばれ、再び異物の除去や洗浄などを経て原料などに加工される

リサイクルごみを捨てる際の注意点2つ

リサイクルごみが新たな原料や製品として生まれ変わるには、正しい方法で捨てられることが不可欠です。汚れを落とし、分別を徹底する。当たり前に思えるかもしれませんが、捨てる前のほんのひと手間が地球の未来を救います。

① 汚れは落としておく
PETボトルや空き容器を捨てる際は、中身を捨て、さっと水洗いして汚れを落とすことが大切です。汚れが付着したままだと、リサイクルできない場合があります。

② 分別を徹底する
廃棄物をリサイクルするには、徹底した分別が欠かせません。異物が混入していると、その後の作業工程に負荷がかかってしまいます。

特に、プラスチックとPETボトルの分別には注意が必要です。PETボトルのラベルとキャップは外してプラスチックごみへ、本体はPETボトルごみとして分けて捨てましょう。
なお、ごみの捨て方は自治体によって異なるため、必ずお住まいの自治体のホームページ等を確認しておきましょう。

何気ない分別から、未来を考えた分別へ

利便性の向上に比例し、地球は悲鳴を上げています。そんな地球を救う手段の一つが、リサイクルによる資源の循環です。

普段の何気ない分別から、未来を考えた分別へ。

一人ひとりのエシカルな心により、私たちの暮らしはより地球に寄り添った豊かなものへと変わっていくはずです。

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