都市で実現する、エシカルな食育体験。土に触れ、野菜と出会う「東京de収穫体験フェスティバル」

体験や生産者との交流を通じて、東京産農産物への理解を深めることを目的に2025年6月14日(土)に開催された「東京de収穫体験フェスティバル」。
新宿会場での多彩な体験プログラムから、練馬区の農園でのじゃがいも収穫まで、参加者が五感を使って食の大切さを知る機会となりました。

子どもたちが土に触れて野菜の成長を感じ取り、保護者が地産地消などの価値を再発見する姿は、食を通じたエシカル消費の実践や、食に関する知識などを深める食育への関心の高まりを物語っています。

生産者と消費者の距離が近い都市農業だからこそ実現できる、安心・安全で環境にも配慮した食の選択。

このイベントは、私たちの日常の食生活を見つめ直し、持続可能な未来へ向けた一歩を踏み出すきっかけとなりました。

多世代が楽しめる体験型食育イベント〜新宿会場での多彩なプログラム〜
TOKYOエシカルもPRコーナーを設置

メインの新宿会場内には、様々な展示パネルが設置されました。環境に配慮した食材選びや地産地消の意義について分かりやすく紹介され、中には親子でチラシやノベルティを手に取る光景も。

TOKYOエシカルのパネルも設置し、食育イベントとエシカル消費の啓発を組み合わせた取組として、来場者の関心を引いていました。

プランター収穫体験で実感する都市農業の価値

特に人気を集めていたのは、プランター収穫体験。参加者は、小松菜やしいたけを収穫することができました。
小さなプランターから野菜を収穫する体験は、限られたスペースでも農作物を育てることができる都市農業の可能性を広げるものとなったでしょう。

地産地消を実践するマルシェと専門的な学び

会場内では東京産野菜を購入できるマルシェコーナーも設けられ、生産者との直接対話を通じて、東京産農産物や地産地消の商品を知る場となりました。

特設ステージでは、野菜ソムリエの渡辺裕太さんによるトークショーが行われ、東京産野菜の魅力や想い、子どもの野菜嫌いへの対処法などを知ることで、食育を学べるコンテンツが展開。

ほかにも、野菜ハンコを用いたオリジナルエコバッグ作りやトラクター乗車体験&フォトスポットなどのコンテンツが多数あり、多くの世代の人々が楽しみつつ、食育やエシカル消費を知る機会となりました。

土に触れる本格体験〜練馬農園でのじゃがいも収穫体験〜

練馬区にある農園では、じゃがいもの収穫体験ができるイベントを開催。

参加者は作業をはじめるにあたり、農園のスタッフからじゃがいもの品種について説明を受けます。
今回収穫したのは、煮崩れしにくい特性の「北海こがね」で、街中のスーパーではなかなか販売されない貴重な品種とのこと。さらに、お土産として人気の高い「キタアカリ」もプレゼントされ、2つの品種を食べ比べできる貴重な機会にもつながりました。

収穫作業では、1株から10〜20個以上ものじゃがいもが出てくることに、参加者から驚きの声が上がる様子も。土の中に隠れていた豊かな実りを目の当たりにすることで、普段何気なく口にしている野菜への理解と関心がより深まる貴重な体験になったといえるでしょう。

収穫体験で深まる食への理解〜参加者が実感したエシカル消費の意義〜

収穫体験を終えて「すごく楽しかった!」「たくさん獲れた!」と目を輝かせる子どもたち。初めて畑を訪れたという親子は、「じゃがいもがこのような環境で育っていることを初めて知った」とうれしそうに語ってくれました。

また、「東京でこれほど本格的に野菜づくりが行われていることを初めて知りました」「農業体験は遠くまで行かないとできないと思い込んでいたので、東京でこんな貴重な体験に巡り合うとは思いませんでした」と話す保護者からは、都市農業や地産地消への理解が深まった様子もうかがえます。

農園のスタッフも「3月から11月ごろまで、かぼちゃ・トマト・ジャガイモ・枝豆など多くの農作物を育てて収穫しています。この農園は、東京にあるというところが良いですね。 大人から子供まで多くの人が体験に訪れて、喜んでいただいています」と、収穫体験を通じて、多くの人に東京での地産地消を発信する機会になっていることを伝えてくれました。

イベントでの学びを日常へ~東京から広がる食を通じたエシカル消費の実践~

「東京de収穫体験フェスティバル」は、エシカル消費の「地産地消」や、食育に対して新たな学びが得られる機会となりました。

子どもたちは土に触れることで農産物への理解を育み、保護者たちは東京産野菜への理解を深めながらエシカルな消費への関心を高めるなど、イベントの参加を通じて意識の変化があった場面もありました。

参加者からは「これからは地元の野菜を意識して選びたい」という声も上がっており、非日常の体験が、日常の行動へとつながる機会となったでしょう。

これからも、エシカル消費や食育の輪が広がっていくことが期待されます。例えば、東京産の野菜を選んでみる、家族で農業体験に出かけてみるといった、日々のささやかな選択をすることで、持続可能な未来へ歩んでみませんか。

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