エシカルなアイデアが出会うことで、新たな創造が生まれる場「NEW ENERGY TOKYO」をご紹介

多くのヒトやモノが集まる場所、東京都。
これまでも新たなモノやコトに関するイベントが多数開催されています。

その中でも、Blue Marble(ダイアモンドヘッド株式会社)主催の「NEW ENERGY TOKYO」は、場内に展示された個性豊かなアートやデザインが目を惹き、独自の発想により作られたエシカルな商品や取組アイデアも多く集まるユニークなイベントです。

本記事ではイベントの概要と、出展者の中でエシカルな商品の開発や取組を行っている3つの企業をご紹介します。

 

●個性豊かなクリエイティブを五感で体感

「NEW ENERGY TOKYO」会場のメインビジョン

「NEW ENERGY TOKYO」は「クリエイションの祭典」として、日本や世界の素敵なヒト・モノ・コトが集うことにより多様な「出会い」を創出しています。

今回のイベントは、2025年2月14日(金)から2月16日(日)にかけて国立代々木競技場 第一体育館で開催。
出展者はおよそ350組で、アート作品の製作を手掛けるクリエイターから、ファッション・美容・食など生活に関連する分野で商品開発を行う企業までさまざまな領域から集まりました。

場内では、エシカル商品やアート作品などの展示・販売から、アップサイクルをテーマにしたファッションコンテスト、循環型ビジネスモデルを体感できるワークショップなどの催しが実施されていました。
アート、デザイン、エシカルな商品などさまざまな「クリエイティブ」と出会い、五感で体感することにより、自身の創造性を豊かにするきっかけになることが、イベントの特徴です。

 

●アップサイクルにより多くの宝石を輝かせる【i nodo】

オーヴ株式会社のブランド「i nodo」

オーヴ株式会社のブランド「i nodo」は「不完全な美しさ」をコンセプトに、デッドストックとなっている天然石などをアップサイクルして作られたエシカルジュエリーを販売しています。

天然石などがデッドストックになってしまう原因は、傷や色ムラがあることなど多岐にわたるそう。

ディレクターが別の仕事でデットストックになっている天然石を見たとき「すごく綺麗な石も不要なものとして扱われているように感じ、そのような石も取り入れたジュエリーを作りたい」と思ったことが、「i nodo」の商品が誕生するきっかけとなりました。

シンプルで日常使いしやすいデザインが特徴のジュエリーたち

シンプルで日常使いしやすいデザインが特徴

「ジュエリーを日常で身につけることで一人一人の自己表現や個性の尊重につなげたり、デッドストックになっている石が社会に溢れている現状に、目を向けるきっかけにもしたい」という想いでジュエリー製作を行い、現在は新たな目標として「人と社会との対等な交わりや共存」を掲げて、売上の1%をNPO法人自然環境復元協会に寄付する「1%Donation」活動も行っています。

天然石の個性と人の個性が組み合わさることで、より一層の輝きや美しさが増すのが「i nodo」が手がけるエシカルジュエリーの魅力です。

 

●日本各地の豊かな自然を商品に活かし、地域課題の取組も行う【kiiks】

株式会社KIKOの「kiiks」

「日本にある自然の恵みを生かし、まだ知られていない植物の効能を商品に使うことで、その素晴らしさを世界に伝えたい」
ファッションモデルの水原希子さんが、自らの想いをもとに手がけているブランドが、株式会社KIKOの「kiiks」です。
主にナチュラルコスメの商品販売を行いつつ、商品の主成分として用いている植物に関する課題解決にも取り組んでいます。

「HAMANASU ROSE BALM」の主成分であるハマナスには高い栄養素がある一方、主な自生場所の北海道では雑草のように扱われていることもあるそう。そのことを知った水原さんは、北海道浦幌町のバラ農園に訪れたときにハマナスの甘い香りに魅了され、商品開発を決めました。
そして、「活気ある農園さんが減っていく中、改めてハマナスの魅力を伝えることで新規就農や離農防止につなげ、日本古来の種を受け継いでいきたい」という想いから、ハマナスの栽培・収穫作業は地元の方と行っています。

「kiiks」の商品の一部「グリーンティーシードヘアオイル」と「ローズ&バンブースキンケアキット」

「kiiks」の商品の一部。右側のかごにある「竹水フェイスミスト」は、使用されている竹水の品質を保つ関係で2025年中に販売終了する見込みとのこと。

竹の成長時に採取した「竹水」を主成分に用いている商品として「竹水フェイスミスト」があります。
竹水には豊富なビタミンと保湿成分のセルロースが多く含まれ、竹が多数自生する山では在来植物が減少したり、竹の根が表土を抑えきれず土砂災害のリスクが高まる「竹害」という問題が生じることがあります。「kiiks」では三重県桑名市で整備や竹の用途開発を行なっている「桑名竹取物語事業化協議会」と連携し、春先に孟宗竹が伸びる際に出てくる竹水の大規模な取水に取り組みました。竹水は腐りやすい為、協議会メンバーの方の大型冷凍庫を借りることで原料の確保がうまくいきました。

自然由来の成分がもたらす効能を感じつつ、その植物の理解を深められることが「kiiks」の商品にあるポイントです。

 

●生産者と消費者を商品でつなぎ「やわらか」な世界を作る【SISIFILLE】

パノコトレーディング株式会社の「SISIFILLE(シシフィーユ)」

タンザニアやペルーからフェアトレードで調達したオーガニックコットンを使い、生理用品や女性用の肌着などを販売しているブランドとして、株式会社パノコトレーディングの「SISIFILLE(シシフィーユ)」があります。

「SOFTEN THE WORLD. -世界をやわらかくする-」をコンセプトに掲げており、そのきっかけはオーガニックコットンが社会にどのような影響を与えられるか考えたときに、「コットンのやわらかさを肌で感じることによってその人の心が穏やかになり、自分自身に優しくなれる。そして周りの人にも温かい気持ちで接することができれば、世の中は少しずつ良い方向へと変わっていくのではないか」と考えたことにあるそう。

主に女性の暮らしに寄り添ったアイテムたち

主に女性の暮らしに寄り添ったアイテムが並ぶ

世界にやわらかさを広める活動の一つに、オーガニックコットン産地の支援を行う「bioRe(ビオリ)プロジェクト」への参画があります。単にオーガニックコットンを買い取るだけでなく、売り上げの一部を生産者が暮らす地域の学校建設、医療サポート、女性の自立支援活動などに寄付しています。シシフィーユのアイテムを選ぶことが、間接的に生産者支援につながるきっかけを作っています。
また、アイテムに付属しているQRコードを読み込むことで製造過程やオーガニックコットン産地の情報が分かる仕組みも。

生産者と消費者をつなぐきっかけがあることで、今後も少しずつ世界に「やわらかさ」が広がっていくのではないでしょうか。

 

●エシカルなアイデアと出会うことで、新たなアイデアが生まれる

会場の様子

今回は「NEW ENERGY TOKYO」で展示されていた、エシカルな商品や企業の取組をご紹介しました。
エシカル消費などの取組を行うことは、その規模に違いはありつつも私たち個人でも行うことができます。

今回のイベントは、エシカルな商品や取組をはじめとする「アイデア」が集うことで、さらに新しいアイデアが生まれるきっかけになったといえるでしょう。
みなさんも、エシカルな商品を買って使うことをはじめ、自分にできることを思いついたことを実践してみませんか。

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