エシカルなファッションの最先端。 第4回 サステナブル ファッション EXPO[春]をレポート

第4回 サステナブル ファッション EXPO[春]が2024年4月17日(水)~19日(金)の3日間で東京ビッグサイトにて開催されました。この展覧会は、エシカルやサステナビリティに配慮したファッション製品や素材が世界中から出展される、日本最大の専門展です。 メーカーや商社などおよそ800社もの企業のなかにはTOKYOエシカルのパートナー企業も出店しており、たくさんのエシカルな商品が展示されていたので、今回はその一部を皆様にご紹介します。

 

株式会社三栄コーポレーションのブースではエシカルをテーマにしたブランドが展開されていました。

車の廃材から生まれたユニークなデザインのバッグ

こちらはドイツ・ケルン発のアップサイクルバッグブランド「AIRPAQ」です。アップサイクルとは、本来廃棄予定だったものに新しい価値をつけて別の製品に生まれ変わらせること。このバッグは使われなくなったエアバッグやシートベルト等の車の廃材を再利用して作られたバッグです。

よく見るとバッグの留め具の部分が車のシートベルトとベルトバックルになっています。発想だけでなくデザインもとてもユニークですね。

腕時計はサイズやカラーバリエーションが豊富

こちらのカラフルな腕時計は子供たちが使っていたプラスチックのおもちゃをリサイクルしてできた「YOT WATCH(ヨットウォッチ)」です。 かわいらしくシンプルなデザインながらもサイズは子供用から大人用まであり幅広い年代の方が身に着けられそう。 ちなみに「YOT」というのはおもちゃを意味する「TOY」をひっくり返して作られた言葉だそうです。 デザインや発想だけでなくネーミングもユニークで楽しみながらエシカルについて学ぶきっかけが得られそうですね。

 

タキヒヨー株式会社のブースでは、同社が開発したサステナブルな素材と課題を解決しながら、資源を無駄なく使うスキームが紹介されていました。「AQUAROBE」は、廃棄されてしまう海の恵みから作られた製品。通常は廃棄物となってしまう魚の鱗や捨てられてしまう漁網、海洋ごみのペットボトルを回収し、生地の素材にすることで、ごみを減らすことができます。

魚の鱗を織り込んだ生地にはコラーゲン成分が含まれているので、なめらかで柔らかい風合いが出せるという利点もあるそうです。

商品は海をイメージさせるブルー系

エシカルな素材で作られたカワウソのダンベル

「AQUAROBE」の製品の1つであるこちらのカワウソは実は重さ1.5キロのダンベル。エシカルな素材であることに加え、かわいくてふかふかのカワウソはくらしにも溶け込むデザインです。 ごみ拾いなどの清掃活動に加えて、その後に回収したごみがどこへ行くのかを考えていくことも、持続可能な未来に向けて重要なことであるように感じます。

一見かわいいサウナグッズに見えるこちらの商品も、「NO WASTE PROJECT」という、“全て無駄にしない”をコンセプトに構築された循環システムで作られています。

Tシャツの絵は生成AIが描いた「ととのい湯」

アパレル製品を作る際にどうしても発生してしまう生地の裁断くずを粉砕して繊維に戻し、再紡績して糸や生地、商品に生まれ変わらせることができるのです。 この循環システムを使って、“地球と私をととのえる”というキャッチコピーと共に、サウナ×サステナブルを啓発するTOTONOI TIGERというプライベートブランドを運営されています。繊維の風合いが残る真っ白なTシャツから、東谷商店のリサイクルウールを使用したオリジナルブランド「TONITO」との協業で誕生した定番サウナグッズのサウナハットまで、自由自在に生まれ変わります。

 

紙製品の総合メーカーである株式会社山櫻のブースでは紙×エシカルをテーマにした商品が展示されていました。

ハンガーとして洋服をかけることはもちろん色合いが鮮やかなので飾っておくだけで室内がおしゃれに

スウェーデン語で「豊かな森」を意味する森や環境へ配慮した紙製品ブランドで「rik skog(リーク スクーグ)」の紙製ハンガーです。 芯材にはリサイクルチップボールを使用し、表面にはバナナペーパーやグムンドペーパーといった森林認証紙が使われているそうです。

ブース内には廃棄予定だった花をアップサイクルし新たな商品としている株式会社RINと株式会社山櫻がコラボレーションした製品も展開されていました。株式会社RINとはTOKYOエシカルを通じて知り合ったそうです。

廃棄予定だった花をアップサイクルしたコラボレーション商品

パートナー企業同士で連携してお互いの強みを生かしたエシカルな取り組みをしていることが感じられます。

TOKYOエシカルのパートナー企業・団体以外でもエシカルな取り組みをされている企業が多く出展していた今回の展覧会。

おしゃれでかわいらしいエシカルな商品

「株式会社フラッグ」が運営するエシカルなアイテムを取りそろえるセレクトショップの「Ethical&SEA」で展示されていたものの一部です。 おしゃれでかわいらしい商品を数多く取り揃えており、プレゼントに購入される方が多くいらっしゃるとのことです。 プレゼントがエシカルについて考えるきっかけになればいいですね。

 

いかがでしたか? TOKYOエシカルのパートナー企業の多様で、ユニークな取り組みが伝わったのではないでしょうか。 今回のイベントに参加したことで「こんな発想があるんだ」や「そんな問題があったんだ」という新しい気付きを得ることができました。 ファッションを通してエシカルやサステナビリティについて学び、考えることで、これまでとは異なる発見が得られるかもしれません。

 

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