便利とエシカルは両立できる「家具・家電を借りる」というサステナブルな選択
環境への配慮が大切にされている現代では、「サステナブルな暮らしをしたい」と思っている方もいるのではないでしょうか。しかし、自ら行動に移すときは、その難しさからハードルを感じることも少なくありません。
株式会社クラスが手がける家具と家電のレンタル・サブスク「CLAS(クラス)」は、そうした想いに寄り添う新しい選択肢です。「借りる」「返す」「買う」を柔軟に選ぶことで、環境への配慮と快適さを自然に両立しています。
今回は、CLASを運営する株式会社クラスの代表取締役社長・久保裕丈さんに、インテリアとエシカルの関係について伺いました。
家具・家電は「買うもの」から「借りてめぐらせるもの」へ
CLASは、「家具や家電をレンタルし、不要になったら返す。ずっと使いたくなったら購入する」という自由な選択肢で、人々のライフスタイルや好みに応じて柔軟な暮らし方を提案しています。
この循環型サービスが生まれた背景には、久保さん自身が経験した引っ越し時のエピソードにあります。
「引っ越し前に使っていた家具や家電のサイズが新居で合わなかったため、買い替えることになりました。そのときトラック一杯に積まれた粗大ごみの山を見て、昨日まで使えていたものをごっそり捨てていく光景にとても心が痛んだんです」と振り返る久保さん。
このとき「まだ使えるものが簡単に捨てられてしまう現状を変えたい」という想いから、CLASのサービスを作ることを決意したといいます。
CLASは「捨てない暮らし」を実現するために、お客様が返却したものを再生活用(再利用)し、次のお客様のもとへ届ける「循環の仕組み」をサービスの中心に据えています。
それを裏付けているのは、商品の再生活用率。返却された商品のうち約99%が再生活用されていると久保さんは話します。
高い再生率を保っている理由の一つは、家具のラインナップです。商品を選定する際は、再生を前提とした視点を取り入れているといいます。
例えば、ベッドのマットレスは薬品耐性があり丸洗い可能な素材のものを採用しており、テーブルの天板には、傷がついても補修しやすい材質が使われているとのこと。
また、組み立てと解体が簡単にできる設計も重要なポイントだといいます。再利用の過程で家具にダメージが残らないよう、パーツ単位での扱いやすさが考慮されているのが特徴です。
家具・家電を捨てない暮らしを送るポイント
リペア(修繕)・クリーニングが可能な素材を用いた家具を取り扱っているCLAS。同社のように、私たちがエシカルなインテリア用品を取り入れるポイントはあるのでしょうか。そのヒントを久保さんは次のように語ります。
「ブランドが購入後のアフターフォローをしっかり行っているかが、一つの判断基準になると思います。例えば、生地やレザーなどといった素材のメンテナンスや修理に対応していると、そのブランドや商品はサステナビリティを意識している傾向にあると感じます。」
一つの家具を長く使うためには、単に商品を選ぶだけではなく、人々の暮らしや環境に寄り添っているかという視点も必要かもしれません。
そして、「”長く愛せる家具”と出会うのは難しいことかもしれないですが、いきなり購入を決めるのではなく、何度でも借りて試して納得のいく家具に出会ってほしいですね」と話す久保さん。洋服を着てみないと似合うかどうかわからないように、家具も使ってみて初めてわかることがあるといいます。
一方、「なるべくモノを持たない」という発想もエシカルなインテリアにつながるとのこと。
久保さんは「ローテーブルにもダイニングテーブルにもなる昇降式のテーブルを使うなど、一つで2役・3役もできる家具を選ぶことで、狭い空間も有効活用できると思います」と視点を変えた先で見つかるアイデアもお話しされていました。
「便利だから使う」ことも、エシカルな選択になる
エシカルなインテリアを作るためには、特別な努力が必要なのでしょうか。CLASの哲学は、その問いに対する答えになるかもしれません。
「便利だから使う。その結果として環境に配慮できている。そんな順番が自然で、長続きすると思うんです」と久保さんは語ります。環境への配慮とユーザーの利便性の両立は、CLASのサービスの根幹にある考え方です。
CLASでは、レンタル品の返却はマイページから手続きするだけで完了します。ユーザーが解体や梱包をする必要はなく、引き取りや設置も専門の配送業者が対応するなど、ユーザーの手間を抑えたサービス設計となっていることが特徴です。
都市部など引っ越しの多い環境では、この利便性が大きなメリットを発揮しています。
あるクラスの社員は、転居先に合わせて家具や家電を自社サービスからレンタルすることで引っ越し業者を使わずに住み替えを実現したことがあるとのこと。
サステナブルなライフスタイルを広めるCLASでは、より多様な人々の暮らしに寄り添えるよう、ファミリー層や学生にも広めていきたいといいます。
久保さんは「サービスを通じて社会課題を解決するためにも、CLASはユーザーの利便性を考え、選ばれるサービスであり続けることを大切にし、その先に社会全体でのポジティブな循環を描いていきたいですね」と、未来のビジョンを見据えていました。
エシカルな選択が私たちにもたらすもの
「家具・家電を捨てない暮らし」は環境に優しいだけではなく、私たちの生活にとっても大きなメリットがあります。
「現代社会では、大量生産・大量消費というあり方がインフレを招いています。この状況が続くと、ユーザーもいずれ大きな経済的負担を背負うことになると思います」と久保さんは警鐘を鳴らします。
一方で、循環型サービスの仕組みが広がれば、資源が繰り返し活用されるため価格も安定し、環境にも家計にも優しい社会が実現できるでしょう。
便利さとエシカルは相反するものではなく、共存できる時代が訪れています。使い捨てをせずに、心地よく、柔軟に暮らす選択が、未来を支える循環になる。CLASの取組は、そんな新しい暮らし方のヒントを私たちに示してくれているのではないでしょうか。
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エシカル消費に関する専門用語を解説しています。
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