30を超える企業・団体が参加。立川のGREEN SPRINGSで開催された「CLEANiNG DAY GREEN SPRINGS with TOKYOエシカルマルシェ」をレポート
TOKYOエシカルは、2024年3月15日(金)〜17日(日)の3日間にわたって「TOKYOエシカルマルシェ」を開催しました。2023年7月の渋谷に続き、立川のGREEN SPRINGSで行われた今回は、「CLEANiNG DAY GREEN SPRINGS with TOKYOエシカルマルシェ」と題し、フィンランドで開催されているリサイクルカルチャーイベント「クリーニングデイ」にインスパイアされたサステナブルマーケットとコラボレーション。30を超える企業・団体が、人や社会、環境に配慮した消費行動である「エシカル消費」を体験できるマルシェの出展やワークショップを実施しました。快晴のなか賑わった3日間の様子をレポートします。
幅広いエシカル消費を体験できるマルシェ
マルシェでは、環境に配慮してつくられたプロダクトや、海洋ゴミや農業・産業廃棄物をアップサイクルしたアクセサリーや日用品、フェアトレード食品や東京都産の野菜の直売など、多角的にエシカル消費を考えるきっかけとなるさまざまなブースが出展しました。
wellty|ペルーとエクアドルのフェアトレードのカカオ豆をベースに、山口県産のはちみつや栃木県産の麻炭など国産原材料を使ったローチョコレートを作るブランド wellty。シュガーフリーで甘味料には国産はちみつかデーツシロップが使われているなど、健康や美容にいいエシカルな食材を使った「きれいになるためのごほうびチョコ」です。売り上げの一部は、同じくTOKYOエシカルマルシェに出展した認定NPO法人アニマルライツセンターや児童労働撤廃に取り組んでいる団体へ寄付されます
河田フェザー:リサーキュレートダウン(エシカル)|羽毛専業メーカーの河田フェザー株式会社は、リサイクル羽毛を使った製品の販売と、羽毛製品の回収も行いました。「羽毛を100年使えるように循環させる」ことを目標に、回収した羽毛はもちろん、羽毛を取り出した側生地の再利用にもチャレンジしています。今回販売した「ルームシューズ」や「マフラー」は大好評で2日目にしてほとんど売り切れ状態に
認定NPO法人アニマルライツセンター|畜産動物の福祉改善を目指す認定NPO法人アニマルライツセンターは、啓蒙活動を中心にチャリティー商品の販売も実施していました。来場者との対話では「(動物を)食べる・食べない、という選択肢で悩むのではなく、動物たちにとって苦しみが少なく自然に近い飼育環境で育まれたお肉や卵を選ぶようにしてほしい」と伝える場面も
sobolon|愛知県近郊で回収した海洋プラスチックでアップサイクルジュエリーをつくるsobolon。海洋汚染の一因とされる海洋プラスチックを自ら回収し、洗浄・粉砕してジュエリーづくりに使える素材を製作しています。素材はアーティストの手によってピアスやイヤリング、ヘアアクセサリーなどに姿を変えます。廃棄されていたプラスチックからつくられたとは思えない美しさに、多くの来場者が足を止めていました
ほわり|廃棄されるお米から生まれた新素材「バイオマスレジン」を使った器を販売するほわり。陶磁器のようななめらかなフォルムと質感で、落としても割れる心配がなく、軽量であることから、子どもからお年寄りまで安心して使うことができます
NATUREとはじめるエシカルなライフスタイル|株式会社NATUREによる「NATUREとはじめるエシカルなライフスタイル」では、ベテランのパーソナルライフスタイリストがブースに立ち、骨格診断とパーソナルカラー診断を実施。スタイリストの視点から消費者の意識変容に貢献し、一人ひとりが自己表現の仕方を知り、長く愛せるものを見つけられるようになることで、アパレルの大量消費の問題に取り組みたいと考え、今回の出展を決めたそうです
会場では、TOYKOエシカルマルシェならではの「食」に関するコンテンツも。TOKYOエシカル座談会「森林を守るために、都会で暮らす私たちが知るべきこと、できること」にも出演したBAM部が、キッチンカーで出展してくれました。
早稲田大学BAM部|早稲田大学を中心とした地方創生インカレサークル。放置竹林問題の解決に向け、放置竹林の整備、竹炭を用いた農業や、地方創生を促すような竹加工品の開発、販売、マーケティング戦略の考案などさまざまな活動を行っています。今回はパンに竹炭を練り込んだ真っ黒なホットドッグや、竹炭パウダーを使ったレモネードを販売。行列ができるほどの人気ぶりでした
ワークショップブースでは、連日さまざまな企業がイベントを実施。衣類を長く着続けるためのシミ抜きワークショップや、着られなくなった服をアップサイクルしたエコバッグづくり、廃棄になるはずだったお花を使ったフラワーアレンジメントやヘアアクセサリーづくりなど、子どもも大人も手を動かしながら楽しんでいました。
一般社団法人エシカルウェディング協会|ギフトの過剰包装や食品ロスなど、裏側では多くのゴミが出ているというウェディング業界を、エシカルなあり方に変えていくために活動している一般社団法人エシカルウェディング協会。今回は、ドライフラワーを使ったヘアアクセサリーづくりを行うワークショップを開催。ドライフラワーは、結婚式で飾られ、その後捨てられてしまう生花をアップサイクルしたものです
タキヒヨー株式会社|繊維商社のタキヒヨー株式会社は、自社製品をリメイクしてエコバッグをつくるワークショップを実施。愛着のある服を簡単にアップサイクルできる方法を参加者に伝授していました。「エシカル消費は禁欲的な印象を持たれがちですが、僕たちはファッションを諦めない会社なので、ファッションを楽しみながらエシカルを取り入れることを大事にしています」と、参加者に向けて思いを語る場面が印象的でした
株式会社ベル・フルール|フラワーデザインのスクールと、プリザーブドフラワーのショップを運営する株式会社ベル・フルール。今回はレッスンで使う花や商品として売り出されていた花のなかで、どうしても傷がついてしまったものや、しっかり着色できなかったプリザーブドフラワーを使ったフラワーアレンジメント体験を実施。子どもから大人までがプロ直伝のフラワーデザインを楽しんでいました
株式会社白洋舎|クリーニング事業を行うの株式会社白洋舎が行ったのは「そろそろ衣替え!サステナブルファッションのための洗濯講座」。1着の洋服を長く着るための手入れの方法として、シミ抜きや衣替えのコツを参加者に教えていました。しょうゆ、カレー、ファンデーション、カフェオレのシミをつけた布が配布され、家庭にある中性洗剤やブラシなどを使って実際にシミ抜きをする体験も。親子での参加が多く、子どもたちも楽しみながらシミ抜きのコツを得ていた様子でした
多くの人々が行き交い、自ら参加し、エシカルを体感した3日間。東京都職員の福田さんは「『CLEANiNG DAY』とコラボレーションして開催したことで、これまでエシカル消費を知らなかったという方々にも興味を持ってもらうきっかけをつくることができたと思います。ワークショップは親子で楽しめるものが多く、大人も子どもも一緒にエシカル消費を学んでいただくきっかけになったのではないかと思います」とイベントを振り返りました。
多様なエシカル消費を知るきっかけを提供した「TOKYOエシカルマルシェ」。TOKYOエシカルは、今後もエシカル消費と人々との接点づくりを進めていきます。