イケアで学ぶ“エシカルなライフスタイル”、「TOKYO エシカル体験ツアー」をレポート!

2023年10月14日(土)、エシカル消費について楽しく学べる「TOKYO エシカル体験ツアー」が開催されました。東京都がスタートした、「エシカル消費」を日常にするためのムーブメントを創出するプロジェクト「TOKYOエシカル」が主催するこのツアー。今回は、IKEA立川に小学校3〜6年生の児童とその保護者が集い、イケアのエシカルな商品に触れながらサステナビリティについて学びました。

エシカル消費とは? キホンからスタート!

「より快適な毎日を、より多くの方々に」をビジョンに掲げ、1943年にスウェーデンで創立されたイケア。2012年には「People and Planet Positive」という戦略を立て、地球環境に配慮することはもちろん、人が豊かに暮すために公平性と平等生を重んじ、健康的なサステナブルな暮らしができるような取組を進めています。家具はもちろん、プラントベースフードの開発や、100%再生可能電力を使用した運営、子どもや社会的弱者の方々への支援、家具の買取や展示商品を安価で販売するなど、さまざまな面からアクションを行なっています。

オフィスには、イケアで行われているサステナブルな取組のパネルが並びます

そんなイケアでの「TOKYOエシカル体験ツアー」。まずはツアーの案内人であるIKEA立川ローカルマーケティングマネジャーの本郷友紀さんと東京都職員の福田さんが、参加者たちに「エシカル消費って何?」という基本をやさしく教えてくれました。

案内人を務めるIKEA立川ローカルマーケティングマネジャーの本郷さん

海面上昇が深刻なツバルの現状や、プラスチックゴミをえさと間違えてしまう海洋動物、汚れた水を汲むアフリカの子どもたちなどの写真を見ながら、なぜそのような問題が起きているかを考えます。世界中でこういった問題があるなかで、一人ひとりが日頃の買い物で地球や人に優しい行動をすることにより、地球温暖化を防いだり、プラスチックゴミを削減したりすることができると説明する福田さん。「普段お買い物をする時に、自分だけでなく、自分以外の誰かのことを考えたり、環境や社会にとって優しいかな?と考えて行動したりすることを『エシカル消費』というんですよ」という言葉に、参加者たちもメモをとりながら大きく頷いていました。

エシカル消費について説明する東京都職員の福田さん

問いかけには手を挙げ、積極的にツアーに参加してくれました

イケアが提案するサステナブルなライフスタイルを体験!

エシカル消費の基本を学んだあとは、IKEA立川スタッフの本郷さんとローカルマーケティング従業員の石井絵己さんの案内で、早速店内を見学。店内の様々な場所に掲示された緑の丸型のポップにはさまざまなサステナブルな暮らしのアイデアが掲載されていますが、なかでも「簡単にできるサステナブルな暮らし」と名付けられた75平米のモデルルームでは、自宅で手軽にできるエシカル消費が提案されています。

家の間取りが再現されたモデルルームで「簡単にできるサステナブルな暮らし」を体感

モデルルームからはサステナブルなアイテムが次々と登場します

長く使うことを想定し、組み合わせによってサイズが変化したりカバーが外せたりするソファーや、サステナブル素材である竹を使ったテレビ台やバスケット、断熱効果のあるカーテン……さまざまなアイテムを通して、どんな生活、どんな行動が、地球にとっても人にとっても優しいのかを具体的に学んでいきます。

冷蔵庫のなかにあるのは、レンジはもちろんオーブンでも使えるうえにそのまま食卓にも出せるガラスのフードコンテナ。透明なので中身がひと目でわかり、使い忘れを防ぐことができます

そんななか印象的だったのは、石井さんの「地球にとってよりよい暮らしと考えると、ちょっと難しかったり、我慢しなきゃいけないと思ったりしてしまいますが、人々の心にとっては自分たちが気持ちよく整理整頓された家で暮らすことも大事なんです」という言葉。「地球だけでなく、自分たちにも優しいウェルビーイングを実現するアイデアを暮らしに取り入れていってくださいね」というメッセージを参加者たちに伝えていました。

サステナブルな暮らしのアイデアを伝える石井さん

日々の行動につなげるためのワークショップ

店内の見学を終え、ツアーで学んだことを振り返るワークショップがスタート。「おうちでどのようなエシカル消費ができそうか、どのようなサステナブルな行動ができそうか?」「学校でお友達に今日の話をどう伝えられるか?」という2つのトピックを参加者それぞれがふせんに書いて壁に貼っていきました。

身の回りでどんなエシカルな取組ができるのか、親子でアイデアを出し合います

親子で相談しつつ、TOKYOエシカルやIKEAのスタッフとも話し合い、「ゴミを捨てる前に何かに活用できないか考える」「必要な物以外買わない」「給食をいつも残している子に『少なめにしといたら』と言う」など、今日からでもすぐに実行できる多くのアイデアが生まれていました。

ふせんのアイデアは子どもたちが発表し、みんなで取組を共有しました

ワークショップを終えた子供たちからは「捨てられてしまう物の使い方やリサイクルの方法についてもっと詳しくなって、世界に役立ちたいと思いました」「帰ったら冷蔵庫の中身を見てみたいと思いました」といった意欲的な声が上がりました。

また、保護者の皆さんからは「中学生の子供がSDGsの会に入って勉強をしていて、それに影響されて下の子供たちもそういった分野に興味を持ったみたいです。私自身も『エシカル』というワードは耳にするけれど、いまいち理解ができていませんでした。ツアーに参加したことで疑問が解消されました」「イケアの商品がサステナブルな取り組みのもと開発されていることを初めて知りました。また、そういったものを選ぶことでもエシカル消費につながるということを学びました」という感想も。そうした新たな気づきは、それぞれができることを考え、暮らしに活かそうという芽吹きを育んでいくはずです。

参加者にはTOKYOエシカルのエコバッグが配られました

案内人を務めた東京都職員の福田さんは「みなさんが自宅でエシカルな消費につながることを既に考えて行動しているのだなと強く感じました。子どもたちの本音が聞ける機会はなかなかないので、今回のような取り組みから子どもたちの声を拾い上げて、エシカル消費が当たり前の世代を育てていくために行政で何ができるのかを考えていきたいと改めて思いました」とツアーを終えた手応えを話します。

また、同じく案内人のIKEA立川の本郷さんも、参加者たちが普段からサステナビリティについて話している様子がうかがえて感動したといいます。「このツアーを機に学校で学ぶサステナビリティからもう一歩踏み込んで、エシカル消費を行うこと、地球にも人にも優しい選択を考えていくことを身近なところから増やしていってほしいなと思っています。サステナビリティというと環境についてのトピックがまず出てくると思うのですが、人が豊かに暮らすことすべてを指すと思うので、それをもっと発信していきたいです」と、今後の目標も教えてくれました。

「サステナビリティ」や「エシカル」と言うと、大きなことに思えてしまうかもしれませんが、今回のツアーで学んだように毎日の暮らしの小さな行動や選択から、少しずつ地球や人々が豊かになる変化が生まれます。TOKYOエシカルでは、今回の参加者たちがエシカル消費を考えるきっかけとなったように、これからもさまざまな体験や機会を提供していきます。

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