TOKYOエシカル主催のカンファレンスが初開催! 業界の垣根を越えた交流の様子をレポート

「エシカル消費」を日常とするためのムーブメントを創出するプロジェクトである「TOKYOエシカル」。2022年の12月にスタートした本プロジェクトは、現在160を超えるパートナー企業・団体にご参加をいただいています。

今回そのパートナー企業・団体が集まり、東京都との連携、またパートナー企業・団体同士の連携を強化することを目的としたカンファレンスを、2023年6月23日(金)表参道にある東京ウィメンズプラザで初開催しました。

小池都知事も登壇、パートナー企業が一堂に会したカンファレンス第一部

第一部の冒頭、東京都からの開会の挨拶に続いて、TOKYOエシカルのアドバイザーを務める柿野成美氏、坂口真生氏、末吉里花氏によるスピーチが行われました。

柿野成美氏(法政大学大学院准教授、消費者教育支援センター理事・首席主任研究員)

柿野アドバイザーは、自身の専門分野である消費者市民教育の立場から、消費者から見たエシカル消費の課題として、『エシカル』という言葉への理解が不足していることや、エシカルな商品の価格が高く選択しづらいこと、手に取った商品が本当にエシカルなものであるのかを消費者が判断するための情報が不足していることの3点を挙げ、また、そうした課題を解決し、エシカル消費を拡げていくために必要な取組として、生産者と消費者の距離が縮まるような対話が生まれる機会を増やしていくことの重要性を語りました。

続いて、坂口アドバイザーは、エシカル消費にまつわる欧米の先進的な取組を中心に、国内外の注目すべきトピックを紹介。2022年にニューヨーク州で提出された、事業規模の大きいアパレル・フットウェア企業向けに情報開示義務などを求める『ファッションの持続可能性と社会的説明責任に関する法案(The Fashion Sustainability and Social Accountability Act)』や、『エシカル手当』を福利厚生として取り入れた日本企業の事例を取り上げ、エシカル消費を推進するための動きが世界的に活発化している現状を伝えました。

坂口真生氏(GENERATION TIME株式会社代表取締役、エシカルディレクター)

ビデオメッセージでコメントを寄せた末吉アドバイザーは「企業は消費者からウォッシュ(取り組んでいるように見えて実態が伴っていないビジネスに対する揶揄)と指摘されることを恐れているがゆえに、100点満点を目指さなくてはいけないと思いがちですが、逆に消費者は一部でも情報を開示してもらえればその企業を応援したいと思うもの」とエシカル消費を促進するための心構えについて語り、企業と消費者が相互にエシカルな行動を意識し合うことの大切さを訴えました。

末吉里花氏(一般社団法人エシカル協会代表理事)

アドバイザーたちの発表に続いて、小池百合子東京都知事が登壇。「サステナブルな社会を創っていく上で重要なカギを握るのは私たち一人ひとりの消費行動。他人事ではなく自分事とするためには共感を生むことが大切であり、共感を生むエシカルなライフスタイルをパートナー企業・団体の皆様にご協力いただいて消費者に提案していきたい」と語り、「企業・団体の皆様同士のコラボレーションも起こっています。柔軟な発想と多様な考え方のもとで、”化学反応”がさらに広がっていくことを期待しています」とエールを送りました。

次に、中学生がエシカル消費について考え、大人に向けてプレゼンテーションを行う「TOKYOミライ開発プロジェクト」を主催する東京青年会議所理事の北永久氏が登壇。パートナー同士の連携事例として、同プロジェクトの活動の様子を動画とともに振り返りました。

 

第一部の最後には、東京都から、本年7月15日(土)から17日(月)まで渋谷キャストで開催する「TOKYOエシカルマルシェ」など、今後の活動について説明が行われました。

業界の壁を越えたつながりを生むネットワーキング

カンファレンス第二部は、パートナー同士の交流を深めてもらうためにネットワーキングが行われました。それぞれの企業がエシカル消費に関する取組や思いを語りあい、協働・共創の可能性が生まれる場となりました。

また、パートナー企業である株式会社NTTドコモと株式会社J T Bによるプレゼンテーションも行われました。

NTTドコモからは 同社のカーボンニュートラル事業構想「カボニュー」についての説明がありました。

続いて株式会社J T Bからは規格外野菜を使った缶詰を販売する「ロス旅缶」についての発表がありました。

「エシカル消費」という共通の目標のもと、業界・業種を横断してさまざまな企業・団体が交流したTOKYOエシカルカンファレンス。第一回にして、非常に熱気の溢れる会となりました。これをきっかけにどのような発展や共創が生まれていくのか。今後の展開に大いに期待したいところです。

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