アンバサダーの紀野紗良さんが「NEW ENERGY TOKYO」で展開した「TOKYOエシカルゾーン」をレポート!

2023年2月25日(土)~2月28日(火)の4日間、新宿で開催された国内最大級のエシカル関連イベント「NEW ENERGY TOKYO」の一角に「TOKYOエシカルゾーン」を設け、パートナー企業・団体とともに、多種多様なエシカルを楽しくお伝えするブース展示やトークセッション、「今日からできるエシカル」のメッセージ展示などを行いました。
「TOKYOエシカル」がスタートしたのは昨年の12月。初めて都民の方々との出会いの場となった「TOKYOエシカルゾーン」の様子をご紹介していきます。

初日の25日にはアンバサダーの紀野紗良さんが参加。

大学院ではサステナブルな素材開発の研究をしているという紀野さん。アンバサダーになったことでエシカル消費についての関心がさらに高まり、トークイベントへのご出演とともに、今回の展示を楽しみにしてくださっての来場です。

ここからは紀野さんのレポートでお届けします。

 

みなさん、こんにちは。アンバサダーの紀野紗良です。今日は、TOKYOエシカルのパートナー企業・団体と東京都がともに展開する「TOKYOエシカルゾーン」に来ています!

幅広いエシカル消費に触れることのできる7社7様の展示ブース

TOKYOエシカルゾーン内の展示ブースを訪問してみたいと思います!

最初は、株式会社一鶴堂さんのブースです。
食育と海の環境問題を考えて作ったというサプリメント「くじらさんのクリルオイル」についてご説明いただきました。魚を食べて得られるDHAやEPAの成分を、代わりに南極にいる「クリル(オキアミ)」という動物プランクトンを使ったサプリメントで手軽に摂取できるそうです。なぜクリルを使っているかという説明を聞いて、魚の減少や海の汚染についても考えさせられました。壁に飾られているカラフルなイラストには「生き物の世界と私たちの手元にある製品はつながりがある」ということを伝えていきたいという社長の思いが表現されていて、子どもたちにも親しんでもらえるように、イラストレーターさんに特別に描いてもらった一枚だそうです。

「くじらさんのクリルオイル」について説明くださる代表取締役・土舘康治さん

お隣は、株式会社大川印刷さんです。
「私たちは風と太陽で刷る印刷をしているんです」という冒頭の紹介が印象的でした。工場の屋根に設置した太陽光パネルからのエネルギーが20%。青森県の風力発電エネルギーを購入した分が80%。このエネルギーだけで印刷をされているそうです。他にも、卵の殻やバナナの茎、コットンの屑などで作った用紙を紹介してもらいました。卵の殻が年間25万トンも廃棄されているということも初めて知りました。誰かが決めたものではなく、自分たちで「環境に正しい」方法だと判断したものを進めているとのことで、だからこそ説得力があり、自分たちで選択していくことの大切さも教えていただきました。

代表取締役・大川哲郎さん

卵の殻やバナナの茎、コットンの屑などで作った用紙の数々

そのお隣には、展示台に置かれたカカオの実に目を惹かれるMAMANO CHOCOLATEさんのブース。
製造しているチョコレートは、エクアドルの先住民と10年以上にわたるパートナーシップを組み、熱帯雨林を保全しながら栽培しているカカオを使っているそうです。「チャクラ農法」という現地の農法自体が森を守り増やす手法だということを初めて知りました。この農法は気候変動対策にもなるということで注目されているそうです。カカオの購入価格は市場平均の2~9倍するそうですが、先住民のくらしや熱帯雨林の保護などにつながるフェアトレードの意義を知って、適正な価格なのだと感じました。

代表・江沢孝太朗さん

ダイレクトトレードのカカオだけでつくられる魅力的なチョコレート

その横のブースはTOKYO VERDY HOCKEY(一般社団法人東京ヴェルディクラブ)さんです。
東京ヴェルディ女子ホッケーチームのオリンピアン藤尾香織選手兼GMがブースで迎えてくれました。「スポーツ環境を支えていただいている企業とともに環境に配慮した素材で製品が作れないだろうかと考えたんです」と紹介してもらったのが、展示されているバッグやジャージなどのスポーツ用品です。モリトアパレル株式会社さんと共同で開発されたもので、なんと捨てられる漁業の網を素材の一部に使用しているそうです。ホッケーのスティックを入れるバッグの内側には、選手が過去に使ったユニフォームも再利用されていました!東京ヴェルディ女子ホッケーチームは、モリトアパレルさんと協力して、今後も環境に配慮した商品の開発・販売やSDGsに関連する活動を行っていくとのことで、これからどのようなエシカルな取組をされるのかとても楽しみです。

ジェネラルマネージャー・藤尾香織さん

捨てられる漁業の網を素材の一部に使用したスポーツ用品

次に向かったのは、株式会社ドールさんです。
とても美味しそうなバナナが陳列されたインパクトがあるブースです。「房で買ったバナナの一部が黒くなり、捨ててしまったことはないでしょうか。本当に必要な分だけ買ってもらえるように、量り売りできる専用秤を作りました。ぜひ量ってみてください!」とお声がけいただきました。2本とって秤に載せると、重さと価格が画面に表示され、ラベルがプリントされました。バナナを紙袋に入れてラベルを貼ったら完了。「バナナエシカルバリューチェーンプログラム」というこちらの取組は、袋包装されていないバナナを必要な本数だけ量り売りすることで、家庭での食品ロスとプラスチックごみの削減につなげていくものです。「必要な分だけ買おう」と考えてみることの大切さを教えてくれる、日常生活に身近でエシカルな取組だなと思いました。

生鮮第一本部 マネージャー・中島小織さん

実際にバナナの量り売りを体験する紀野紗良さん

次はお隣のフェアトレード専門ブランド・ピープルツリーさんのブースです。
こちらで紹介されていたのは、途上国の人々の手仕事の素晴らしさを活かした様々なフェアトレードアイテムです。生産者の自立を支えることで貧困問題を解決することが目的だと教えていただきながら、展示商品を拝見しました。ブースにはチョコレートや洋服、雑貨などたくさんの商品が置かれていましたが、どれも素敵で魅力があふれています。「フェアトレードやエシカルという言葉とその意義をもっと多くの人に知っていただき、何か1つ生活に取り入れてみようという動きが進めばよいと思います。無理や我慢なく続けられるように、楽しい、かわいい、うれしいアイテムをたくさん届けられるように頑張ります」とお話されていました。

様々なフェアトレードアイテムが展示されたブースで取組について説明くださるPR・後藤あゆみさん

最後のブースは、株式会社RINさん。
先ほど通りかかったときから、ブース一面を飾る色とりどりの綺麗なお花の装飾が気になっていました。捨てられてしまうことになる花たちに、もう一度命を吹き込む活動をされているということです。花屋や結婚式場などでやむを得ず余ってしまう花や、規格外ということで市場に出回らない花がたくさんあるそうです。そうした「ロスフラワー」も一緒に店舗の装飾やブーケなどにアップサイクルする取組や、「日本全体で花のある暮らしが文化になりロスフラワーが減るように」という思いで、スクールを立ち上げたりコミュニティ作りも進めているそうです。TOKYOエシカルのパートナー企業としてさらに力を入れていきたいという思いも伺いました。

「ロスフラワー」で彩られたブースで取組について説明くださるフラワーサイクリスト・小檜山涼香さん

トークイベント出演企業や、NEW ENERGY TOKYO本会場内に出展しているパートナー企業からも溢れるエシカルな取組や思い

 

トークイベントに出演するパートナー企業の雪ヶ谷化学工業株式会社の坂本昇社長にもお話を伺いました。

私も普段お世話になっている化粧用スポンジですが、従来品は、合成ゴムや石油由来素材のポリウレタンを使っているそうです。雪ヶ谷化学工業株式会社さんはそこに天然ゴムや自然由来のトウゴマという原料を一部配合し、エシカル製品として進化させているとのことです。「石油由来の原料を削減すればよいということではなく、見えていないところで別の社会課題を助長していないかを必ず確認している」という、忘れてはいけない大切な視点も教えてくださいました。
また、「エシカル消費を求める人が増えるほど、メーカーもエシカルな商品を作るようになる」とお話しされていました。TOKYOエシカルで、都民の皆さんとパートナー企業・団体の方々、みんなのアクションで一緒にエシカル消費を盛り上げていきましょう!

紀野さんのTOKYOエシカルゾーンのレポートの感想は後程お楽しみに!!

ここからはさらに、トークイベントにもご出演いただいた、NEW ENERGY TOKYO本会場内に出展されているパートナー企業・団体さんのブースもご紹介します。

まずは「みんなでみらいを」さんのブース。
ナチュラルコスメブランドを展開しているフロムファーイースト株式会社さんによる、環境改善を目指したコスメや洗剤などを製造・販売するプロジェクトです。3つの取組を紹介していただきました。1つめは主力商品である米ぬか酵素洗顔クレンジング。必要な量だけ買える量り売り機器を新たに作り、これから全国の百貨店などに展開していくそうです。2つめは植物素材「ヘナ」を使った毛染め製品。離島の耕作放棄地を畑にしてヘナを栽培し商品化されています。3つめはREMOFAMで、希望する野菜と面積を選択すると、その分だけ農家さんが栽培して送ってくれるという仕組み。農家の収入安定や、耕作放棄地の減少につながる、新たな魅力的な取組です。

代表取締役・阪口竜也さん

米ぬか酵素洗顔クレンジングを必要な量だけ買えるような量り売り機器

次に、「AIRPAQ」さんのブースです。
こちらはパートナー企業の株式会社三栄コーポレーションさんが展開する、自動車のエアバッグなどの廃材を再利用して、おしゃれなバッグにアップサイクルしているブランドです。シートベルトがバッグの留め具としてスタイリッシュに生まれかわっているのに驚きました。「これはドイツの製品で、弊社は商社としてこれを日本に展開しているのですが、ヨーロッパでは近年サステナブルブランドがかなり増え、エシカル商材を扱うことが多くなってきました。このバッグはサステナブルというより、ファッションブランドとして確立されています。まさに新たなクリエイションの一例です」と話してくださいました。

AIRPAQについて説明くださる企画開発担当マネージャー・山田敦さん

いろいろなエシカルな取組の体験・体感を通して、よりエシカルが身近に

最後に紀野さんにTOKYOエシカルゾーンをレポートされた感想を伺いました。

今回、パートナー企業・団体さんからエシカルな取組についてお話を伺って、本当にたくさんの刺激を受けました。ネットニュースでも情報は得られる時代ですが、実際にものを作ったり、展開しようとしている人の思いや熱意は、文字だけでは伝わりません。とても心に響く経験でした。

アンバサダーに就任してから自分自身の消費について考えることが増えていたのですが、今日は、アンバサダーとして知ったことをその背景や思いも含めて発信していくことが重要だとあらためて感じました。今後も気になる催しには足を運んで、エシカルな視野を広げ、自分自身も実践したり、皆さんに伝えていきたいと思います!

来場者の方々の「今日からできるエシカル」のメッセージで彩られた「エシカルツリー」

4日間の開催を通じて、「エシカルツリー」が沢山のご来場者の方々の「今日からできるエシカル」のメッセージで彩られるなど、多くの都民の方々にエシカルについて考えていただく場となりました。TOKYOエシカルは、今後もパートナー企業・団体の皆さまと共に多様な取組を展開し、都民の皆さまに参加いただきながら、みんなのアクションで「エシカル消費」を一層推進していきます。

記事一覧へ